スタジオジブリ最新作「コクリコ坂から」の完成披露試写会が4日、作品の舞台である横浜で行われ、ヒロイン・海の声を務める長澤まさみをはじめ、岡田准一、鈴木敏夫プロデューサーと宮崎吾朗監督が登場した。
原作は1980年に「なかよし」誌上で連載された、高橋千鶴、佐山哲郎による少女漫画。船乗りの父親を遭難事故で亡くした16歳の海が、岡田演じる高校の先輩・俊との出会いを通し成長する姿を、高度経済成長へと突き進む1963年の情景とともに描き出す。
吾朗監督にとっては、デビュー作「ゲド戦記」以来5年ぶりの監督作。父・宮崎駿監督はかねてから「映画監督は2本目が勝負。それがダメなら監督なんてやめちまえ」とゲキを飛ばしたといい、吾朗監督も「前回は勢いと思い込みで作った部分が強いが、今回はプレッシャーや映画作りの苦しみというものを初めて感じた」と心境を吐露する。
初号試写を観た宮崎駿監督からは、密着取材していたレポーターを通して「もっとおれを驚かせてみろ」というメッセージが届いたそうで、吾朗監督は「その瞬間、『死ぬなよ』って思いました。お互い歳を取っていくわけだし、とにかくすごい人なので延々と追いつけない存在ですから」と父への思いを語った。
気になる駿氏の反応について、鈴木プロデューサーは、「素直に良かったと言うとは思っていなかったですけどね。そしたら『俺が(シナリオで)作った俊はあんな不器用な男じゃない。あれじゃ、まるで吾朗だ』って(笑)。すごく印象的な言葉でしたね」と語った。
長澤は初の長編アニメ映画で、ジブリ作品の主人公に大抜てき。ところが「ハリキリ過ぎちゃって、吾朗監督から『そんなの海ちゃんじゃない』って言われちゃった」。
鈴木プロデューサーも「まさみちゃんはね、ミスキャストだと思ったんですよ。声がかわい過ぎるんだな。だから『もっと普通にしゃべってみてよ』とお願いした」といい、結果的に長澤本人いわく「暗くて無愛想な普段の声」で海というヒロイン像が生まれ、今では吾朗監督も「『これだ!』って思いましたね」と太鼓判を押した。
一方、岡田は「ゲド戦記」以来、2度目のジブリ作品で「監督の2本目に対する覚悟を知っていたので、最初は僕で本当にいいのかと思った。初日は緊張したが、一緒に行けるところまで行こうと……」と“覚悟”の現場を振り返り、「まるで吾朗さんみたいに、背筋の伸びたまっすぐで芯の一本通った作品に仕上がった」と吾朗監督との共闘に満足そうな表情だった。
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